表題のネタは、「続きを読む」の下で。
先日までキャラ別の感想を書いていたので、今度は全体的な感想。
まず、システムなどは大きな問題ないと思います。音楽は、旧作からのアレンジが多いのでちょっと物足りないけど、レベルとしては満足。音声は主人公の声以外はフルボイスだったのでこれも問題なしかなあ。個人的には主人公にも声が欲しいのですが。
新規シナリオ１つで少々物足りなかったので、いずれ出るであろうファンディスクでの追加シナリオに期待したいですね。
キャラクター魅力に関しては、とてもよかったと思います。じつは、うちは旧作の初代ToHeartについてはキャラクター的魅力はあまり評価してません。たしかに、並の作品に比べると高いのですが、波長が合わなかったというのでしょうか。キャラクター魅力でいえば「こみっくパーティ」「うたわれるもの」といった東京開発メインの作品の方に感じています。そして今作もそうでした。これはＣＧの魅力というのも高いと思いますが、より受けるキャラ作りに成功しているからだと思います。
言い換えれば、初代はシナリオの魅力が高く、今作はキャラクターの魅力が高い、ということかもしれませんね。初代のマルチのシナリオなどはロボットものにギャルゲーの設定をうまく使ったエポックメイキングだったと思います。残念ながら今作にはそこまでぐっと来るようなシナリオはありませんでした。もちろん、これはちょっと特別で、だからといって今作のシナリオが弱いというわけではありませんが。
では、表題に関する感想。やっぱりネタバレなので気にしない人だけどうぞ。
今作で一番気になった点は、主人公の正確けでした。
最近は意外とありがちな「やさしいが女の子が苦手」という設定はギャルゲーとしてははっきりいって不適なわけで、そこんところをどう使うかってのは注目でした。
まあ、世の男子の多くは女の子が苦手なわけで、そこんところはプレイヤーに近い設定で感情移入もしやすいところかもしれないんですが、個人的にはそんなキャラクターに感情移入したくないなぁという印象しか持ちませんでした。といっても、このみやたま姉は幼なじみでその設定は無効、他のキャラもお節介している関係でどうしてもその設定が活かされてなくて取って付けたような印象でしたが、ささらシナリオだけは非常に活かされていたですね。
キャラごとの感想にも書きましたが、ささらのシナリオはまさにそれ。たま姉がはっきりしない貴明に優しさの履き違えを指摘するが、本人逆ギレするようなあたりが最悪だったねえ。あと、「自分にはふさわしくないから…」と身を引くような行動をとるあたりも同様。このあたり、情けなさ極まれりで、コイツ操作するのかよと思ってしまうね。たま姉も情けなく思ってたんだろうなあ。「ささらに必要なのは、ふさわしい男でなく、必要な男（＝貴明）」なんて台詞言わなくちゃならないし。ささらも変なのに引っかかったことだと。ちなみにささらシナリオのたま姉は、たま姉シナリオのたま姉よりもずっと好みだったりする。
あと。ささらシナリオでは恋人同士なってから、貴明がつけ上がった態度になった点もマイナス…。もしかしたら人間の心理を上手く書いているのかもしれません。だとすると感心します。
ついでに書くと、終盤のささらの両親の前でささらの気持ちを代弁し、激しく非難するとこは引いた。突っ走って一歩間違うと家族に取り返しの付かないようなことやるんだコイツ、って感じで。うち的には、少々異常に書かれていたが母親より貴明の方がもっと異常に感じた。正しいと思っても、親御さんの前でやっていいことなのかと。（正しければ許されるみたいなノリだったら本当に怖いと思いました） このあたりも、最後はハッピーエンドになるって判って読んでいるからいいんですけどねえ。そうでなかったらやっぱり怖い。
その点、浩之はよかったなあ。お節介はいっしょでも、自分の力で何とかしてあげたいという強い意志を感じたし。
しばらくは、情けない主人公はもういいです。
でも、姫百合シナリオではかなりしっかりしていたように感じたのですが、こっちは年下相手だからかな？
